会社に着くとランチタイムで人があまりいなかった。
すれ違う一人の女の人に聞いた。
『○籐さんはどちらにいらっしゃいますか?』
不思議そうに見るその女性が本人でした。

落ち着かない様子で言われる。
『何か?』
『○○のことでお話しがあるんですが今お時間よろしくでしょうか?』
落ち着いて問う。

親子に見られてもおかしくない人。
会社の近くの喫茶店に入った。
ドリンクを頼み話しが始まる。

重い空気の中突然泣かれた。

『私あの人が好きなんです』

泣きながら言われる。
『泣かないで落ち着いて聞いて下さい。
私も同じ立場ですから強く言えません。
別れたくないならどうぞ、私はいりませんのであげます。』
妊娠しているのか体のラインが緩い。

泣き止むが私をキョトンと見つめる。

『私が会いにきたのは、どんな女性か見たかったんです。
あなたの何が魅力なのか私に強く言えるあの人に対する気持ちがあるか判断したかったんです。
ただ泣いて別れたくないと泣くようなつまらない女だったんで、あの人も私とあなたと同じ立場にしたんでしょうね。
その方が楽だったんでしょう。』
私が話したら今まで泣いていた目の前の人は豹変した。
『体と顔しか武器にできない女なんですね』
仕事柄その通りだった。
動揺も何もない。

店の外から猛スピードで彼が近付く。

私は
『何?』
彼は会社の同僚から聞いたらしく危機感を覚え来たと説明した。