『人間界ということは…父上を倒した勇者が…いる…』


ソフィアの中で緊張が走り、ツバを飲み込んだ。


『ワン、ワン』


小犬はそんなソフィアの右足に頭をなすりつけた。


『…ったく、お前は淋しがり屋なのか?』


ソフィアはしゃがみ込み、小犬の頭を優しく撫でた。


『お前の父上や母上は?いないのか?』


ソフィアは小犬に尋ねたが、小犬はただソフィアにじゃれていた。


『お前もいないのだな…俺と一緒か…。良いだろう、俺と一緒に来るが良い、共に勇者を倒そう』


ソフィアがそう言うと、小犬はしっぽを振った。


『お前名前は?』


そんな小犬にソフィアは尋ねた。