「さあ、残りはあなただけよ」
「女、なぜこのようなことをする?」
「私は・・・私は美しいものが好き。だから、美しさの中にだけ、生きていきたかった。人間は醜いわ。誰一人、信用できない」
ジョナスはタイコクファイブのヘルメットを脱ぐと、それを砂浜に投げ捨てた。自慢のリーゼントは、ヘルメットの中でさえ型崩れすることはなく、雄々しく前方に突き出されていた。
「俺の名はジョナス。君は、人を信用できないと言ったね」
「ええ」
「じゃあ、もし俺が、君の事を好きになってしまったと言ったら・・・君はそれも信用できないかな?」
静子はジョナスの青い目をじっと見つめた。そして、
「信用するわ。貴方の目は、嘘をついていない」
「だったら、こんな争いはやめて・・・」
「もう遅いのッ!」
静子はジョナスに襲い掛かった。