「千与!わかっておるのか!」

千与が家に戻ると怒り心頭の彼女の父が千与に正座をさせ説教を始めた。

「そちは女子じゃ!刀を勝手に持ち出して遊びに使ってはならぬ!」

「ですが父上っ!」

「言い訳はよい!わしの言うてることがわかったのか、わからぬのかそれだけを聞かせよ!」

「…申し訳ありません。もうそのような事は致しませぬ。」

そう言う千与だが、袴を握りしめる手はわなわなと震えていた。

―父上、もしわらわが女子でなく男子だったら。
父上は千与に剣術を教えて下さいましたか?

もし…そう考えると目頭が熱くなる。


強くなりたい
その千与の想いは儚く散る。