そう言うと、千与はロザリオを由親に見せた。

「っ、千与…そなたまさか」

動揺を隠しきれない由親に、千与は笑顔を見せた。

「…これが、わらわの宝じゃ。」

そうロザリオを優しく包み込み、千与が言うと、由親は黙り込んだ。


「由親、―感謝しておるぞ。誠に。」

一筋の涙を零して、千与は歩き始めた。