「そう言ってもそちは女子じゃ。」

「そこじゃ!千与が女子だから馬鹿にする輩が許せぬ!」

眉を寄せて、由親にそう吐き捨て、また刀を振るう。


「…千与は、私が守る。だから剣術なんて身につけなくてもよい。」

「―お主は、とんだたわけ者だな。」

少し俯き、千与はそう呟く。その頬は少し赤かった。


「そんなことわかっておる。」

けど、誠だ。そう微笑む由親。

その笑顔に千与の心臓は大きく脈打つ。

―そなたは、千与を苦しめるのが天下一だ。信長殿も敵わぬ。

そう心の中で千与は叫ぶ。