父上が戦に勝てば世に父上の名が届くやもしれぬ。
されど、戦に向かう父上を見とうない。
行き場のない気持ちが身体を制覇していた。
神よ、どうか…父上そして由親をお守り給う。
ロザリオを衣の上から握りしめ千与は祈った。
大切な二人を戦で失いたくない。寿命など病よりも、その亡くし方をしたくはなかった。
これからも生き続けることのできる健康な身体なのに、斬られて命を無理矢理奪われるなんて無慈悲で、ただただ、ただ…時代を憎んだ。
波乱の戦国時代を―
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