それにしても
こんなにそっくりなんて…


「俺の名前はサトシじゃないよ…」

コツ…コツ…コツ…


そう言いながら再び近づいてくる


近づいてくる度に心臓の早さが増す



そしてあたしの顔の正面まで来た…



あと10cm近づいたらキス出来そうな距離だよ…



「ちょ…なんなんですか…」


その瞬間男はあたしの耳を触り耳元で


「俺の名前は早坂直哉…3年だから。覚えといてよ?」


と言った



あたしの耳元に彼の吐息がかかり
低くきれいな声が響きわたる


「はい……」


あたしは真っ赤に染まった顔を下に向けながら話した



まだ距離は近いまま

男…いや早坂先輩はあたしの髪を触ってる


「いいねー黒髪。しかもサラサラ。うちの学校染めてるやつばっかだからなあ…」



ドキッ…


そんなこと言われたら…しかもサトシにそっくりな先輩



もう心臓の音が先輩にも聞こえちゃうんじゃないかってくらいあたしの心臓はなっている


先輩はそんなの知る余地もなく
あたしの髪を興味深々に触る




でも




嫌じゃない




恥ずかしいけど





何か快感―――――――