あたしの名前は

笠木千冬


志望校に合格したのはいいもの

女子の特性なのか

グループを作る

というのが嫌で常に一人で居る


別に誰もあたしに興味ないみたいだし
みんなにとってあたしは空気みたいな存在なのだろう


そんな居心地の悪い教室より


誰も居ない音楽室の方がいい―







今日もいつも通り音楽室へ来る


音楽教室の田代芥生(タシロアザミ)があたしにいつものように鍵を渡す

「じゃ、戸締まりだけちゃんとよろしくね」


チャリン…


鍵は微妙に冷たい


鍵を渡すと疲れた表情で田代は足早に音楽室を後にする


まあ…グチグチなんか言われるのも嫌だし別になんとも思わないが…