でも、本音を言えば。


――― もっと、近づきたい。



なんとか今は『幼なじみ』っつーポジションだけど。

まおの『彼氏』になりてー。


まおが嬉しい時は一緒に笑い。
悲しい時は一緒に悲しむ。


まおが危なくなったら絶対に守る。



今はただ、無条件で居られる『幼なじみ』のポジションを誰にも譲らす気は無い。


これが無かったら、絶対まおは俺に近づかないような気がすんだよな。


「いっくーん、さっきからなに考えているの?
早く食べなきゃ冷めちゃうよ?」


「んー、食う食う」



『守る』だけじゃ、ダメなんだよな。


まおは守られる事を嫌っているっぽいし。


――― 自分で頑張りたい。


そうやって考えるやつだ。


誰かに守らている方がラクで俺はいいと思うんだけどな。



「もー、さっきからなに考えているの?
全然食べていないじゃん!

食べないならこの“チキンナゲット”貰っちゃうからね!」