適当にセットメニューを二つ頼んで……


「単品で……」


「“単品”って! 誰がそんなに食べるの!」


女の姉妹で育てば男の食事量が知らないのは当たり前だが。


「いっくん! 単品って、あたし食べないからね」



うるさい。
レジの前で騒ぐなっつーの。


会計してくれている人なんて、驚いているだろ?


それに『単品』を食うのは俺だって。
安心しろ。
まおがそんなに食うなんて思ってもいないから。



「よし、行くぞ」


頼んだ物もきたし…… 席でも探しに行くか。


まおの分と俺の分を両手に持って、歩き出した。


……… しっかしなー。
どうしてこうも満席なんだ。


二階でも行ってみるか?


「まお、二階行くから先に上がって」


「………」


「???」


はっ?
ちょっと上に続く階段を見上げたと思ったら急に顔が赤くなって……


「どうした?」