ずっと、泣き続けた。

もう、何もしたくない・・・

私は携帯を手に取り、ボタンを押す。






ドンドンッ

「浅姫。開けて。あたしだよ。瑞穂。」

ドンドンッ

「浅姫・・・・?」

ゆっくり立ちあがって、鍵を開ける。

「あさぎ!!!!」

ドアが開いたと、同時に抱きしめられる。

「浅姫、もう大丈夫だからね。」

昨日からあんなに泣き続けたのに、瑞穂に抱きしめられると、また涙が出た。






私は、瑞穂に電話を掛けた。

瑞穂は高校からの親友だ。

みんなは、私の家庭のことを知ると、好奇心でいろいろ詮索したり、陰口を言ったりしてた。

でも瑞穂だけは、何も言わずずっとそばにいてくれた。

ずっと、私が必要だって、言ってくれた。

今でも、とっても大事な人だ。




「ごめんね、瑞穂、朝早く。・・かずくんも。」

目にタオルを当てて、話し始める。

あれから、瑞穂の彼氏の車で、瑞穂の家に連れて来られた。

そして、私に冷たいタオルを渡し、ソファーに座らせた。

瑞穂は、何も聞いてこない。

いつもそうだ。

無理に聞かないで、こっちから言うまで待っててくれる。

「大丈夫だよ。俺、今日早番だし。」

かずくんはにこやかに答える。

かずくんは瑞穂の彼氏で、今同棲中である。