「はい、最近は忙しくて此方に顔を出せなくて」



「まあ座って。それで、どうしました?」



そうだ、きちんと役割を果たさなければと、教授を真っ直ぐに見つめた。




「山口寛子を知ってますか?」



俺は、知らなかった。
学部が違うのかすらも、知らない。
ただウチの大学は、規模も大きいから知らない人だって沢山居る。




「いいや、知らないですね。その方が?」



「ウチの大学に通ってるらしくて、その人が昨日狂言自殺をしようとしたんです。それで、そのことについて、俺の友人が来ますので、会って話をしてもらえませんか?」