石山教授は、言った。
アリバイは必ず証明されると、だからあの証言は、石山教授の自信と矛盾する。
きっと、そう言うようにとでも言わせたんだと思う。
だって、何故彼は嘘をついたのか?ってことになる。
きちんと話せば、アリバイは証明されるのだから。





そこで、ふと気がついた。
これは何か意味があると。
さっきのは、ヒントだったのか。
いや、何故私にヒントを…。




『もしもし、葵さん?』



慌てて、葵さんに電話をかけた。



『明さんそこに居ますか?』



『さっき5階へ行ったよ』



『すいませんけど、引き留めてください』




私は涼子の腕を掴み、走り出した。
明さん…!