「明さん抑えて」
私は、明さんを引き止めた。
気付いて…これは、罠なんだから…。
「あ、すいません。お名前教えて頂けますか?」
ある種の確信を持って、彼女を真っ直ぐに見つめた。
間違っていなければ…彼女はあの人であるはず。
「私は……山口寛子です…」
「そうですか、あの一つだけ言っておきます。何が目的かは、知りませんが、悪い冗談は止めてくださいね」
私は、そのまま部屋をあとにした。
もちろん、あの言葉はドアの外にいた2人の人物にも、向けて言った。
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