一通り話終えると、急に力が抜けていった。
人前で話すことが久しぶりだし、推理を披露したのはもちろん初めて。
緊張よりも興奮が高まっていたにしろ、今になってドキドキしてきた。
名探偵なんて、呼ばれちゃったし。





「さすが、名探偵!」



「いえ、そんなことは」



「お礼をさせて貰えませんか?」



深川氏は、ずいと歩み寄り提案した。




「結構ですよ。お礼なら此方の皆さんに。私はこれで失礼しますね」



「君は、テレビの女優よりも名探偵が似合う」




ガハハハと、西田氏の笑い声が響いて、私は苦笑いを浮かべた。
だって、女優と比べられても…って感じだし。