桜が、ひらひらと舞い落ちる。 少女は、花びらが落ちて来ることも気にせずに、座り込んだ。 ため息一つ、春だというのに、それには見合わない表情を浮かべた。 ガヤガヤと生徒の声が、校舎から聞こえる。 まだ、少女は動かない。 『始業式を始めますので、体育館に集まって下さい』 教師の声で、呼び掛けられる。 しかし、少女は動かない。 少女が立ち上がったのは、始業式が始まってから、しばらくしてからだった。