「ほう、物分かりがいいんだねぇ。それで、死んでくれるのかい?」
「まあ、あなた方を警察に突き出してからですけどね」
私は、笑顔を作った。
すると、相手は睨みつけた。
「まさか、キミに気付かれるとは思わなかった。心が読めるだか何だか知らないが、キミのおかげで、捕まりそうになった」
「どうしてそれを?」
「私もキミと同じだから」
皮肉なものだ。
犯罪者が、唯一私の気持ちをわかる人物だったなんて。
あの日、キミを見た瞬間にわかったのだと彼は言った。
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