「私皆さんに話すことが、もう一つだけ」



「何だよ」



「信じて貰えるかは…わかりませんが、心の声が聞こえるんです。そのせいで、ある人を苦しめてしまいました。兄と私は、兄妹ではありますが、違うんです。兄も苦しんでいるんです」



「雫!どうして…」



兄は酷く驚いていた。
確かに、隠し続けてきた過去を出すのは、簡単ではない。
でも…これでいいのだ。



「こんな風に事件に巻き込まれたのは、偶然だとは思ってないから」









そのまま、兄の家を出た。