宏美さん、葵さん、西園寺刑事、涼子と俺はあるマンションの前と来ていた。


雫の兄、春岡亮に会うために。
この事件を解く鍵であり、彼女を知るために。






「亮、久しぶり」



西園寺刑事は、ニコリと笑顔を浮かべた。
その先にいる男性が、春岡亮さんだろう。
雫と似ていて、細身でそれでも違うのは、笑顔を隠すことなく表に出していた。






「ようこそ、何もありませんがどうぞ座っていて下さい」



通されたリビングは、予想外に広々としていた。
特に高級感がある訳ではないが、売れっ子作家は金持ちらしい。