だから…。



俺はスヤスヤと眠り続ける坂下を見つめながら、いつの間にか乱れていた布団を掛け直すと、さっきより赤く染まった頬にソッと触れた。



「んっ…セン…セ…」



「あ?」



「ス……キ…」



「っ!!………しつけぇんだよっ。バーカ。」



そしてズイっと顔を近づけ、その瞼のすぐ傍に唇を寄せると、



「あと9ヶ月ちょい。“片思い”ってヤツ、お互い満喫しよーぜ。な?杏奈。」



俺が恋した生徒の名前を、ポツリと小さく呟いた。





end...