「阿川さんって優しいですね」
穂乃ちゃんがニコッと笑った。
「どうしてそう思う?」
「私を拾ってくれたから…。それに誕生日までしてくれたし…」
「そっか…」
穂乃ちゃん、俺がキミに優しいのは……キミが好きだからなんだよ……。
「彼女に怒られちゃいますね」
穂乃ちゃんは苦笑いをした。
「俺に彼女いると思ってる?」
「はい……。って…まさか……」
「いないよ。彼女いない歴5年。この女っ気のない部屋見たらわかるだろ?」
「そうなんだ……ゴメンなさい…」
「別に謝らなくてもいいよ」
彼女がいたら、キミを家に上げたりしないよ。
てか、女性を家に上げたのは実はキミが初めてだったんだ……。