「それから……これ……」
ケーキを食べてる彼女に、キャンディーの入った袋を差し出した。
このキャンディーもコンビニで買ってきた。
いろんな味のキャンディーがひとつの袋に入って、クリスマス用にラッピングされたものだった。
「えっ……」
目を見開いて、キャンディーを見る彼女。
「誕生日プレゼント。お誕生日おめでとう。穂乃ちゃん…」
「……あっ……今…穂乃ちゃんって……」
「あっ…」
無意識のうちに彼女ことを"穂乃ちゃん"って呼んでいた。
ちゃんと呼べた。
穂乃ちゃんって…ちゃんと呼べた。
「ありがとう…」
彼女……いや、穂乃ちゃんはプレゼントを笑顔で受け取ってくれた。
そして「名前で呼んでくれて、ありがとう」と言ってくれた。