風呂から出て、リビングに入ると、彼女は携帯をいじっていた。


俺を見ると、携帯を"パタン"と閉じてテーブルに置いた。



「お家の人に連絡した?」


「あ、はい…。お友達の家で勉強して帰るって……」


「そう…」



お友達の家か……。



「今、洗濯してるから。もう少し待ってね」


「すいません……」


「何か飲む?冷たいものだったらお茶か水で牛乳……。温かいものだったらコーヒーか紅茶……。あとホットミルクかカフェオレも出来るけど?」


「紅茶で……」


「了解」



俺は、マグカップを2つ出して、ティーパックをマグカップの中に入れた。


ポットのお湯をマグカップに注いだ。


紅茶の香りがキッチンに充満する。


ティーパックを取ると、マグカップを持ってリビングに行った。