閲覧室には何人もの人が座れる大きなテーブルがいくつも並べられている。
ほとんどの人が退出した館内。
そんな中、男の子が1人テーブルに上半身を突っ伏して寝ていたのだ。
でも足を止めたのはそれだけではなかった。
大きな窓から射し込むオレンジ色の光に包まれた男の子の幻想的な姿に、立ち止まらずにはいられなかったのだ。
棚に並べられた本も、
大きなテーブルも、
突っ伏した男の子の細身の体も、
目の前に広がるすべてのものがキラキラと輝いているようだった。
「起きてください。もう閉館しますよ」
ふと、幻想的な世界に入ってきた女性の声に我にかえると、エプロン姿の図書館員が寝ている男の子に声を掛けていた。
男の子は気だるそうに体を起こして頭を掻いていたが、すぐに物凄い勢いで辺りを見渡した。
自分の状況に気付いたのだろう男の子は、慌てて椅子から立ち上がると、申し訳なさそうに図書館員に頭を下げた。
あたしはそれを目の前に
「ぶっ、あははははっ」
思わず吹き出してしまったんだ。
だって今までの幻想的な空間とはギャップがありすぎて、それが何だか可笑しくって。
でもあたしは肝心なことを忘れていた。
ほとんどの人が退出した館内。
そんな中、男の子が1人テーブルに上半身を突っ伏して寝ていたのだ。
でも足を止めたのはそれだけではなかった。
大きな窓から射し込むオレンジ色の光に包まれた男の子の幻想的な姿に、立ち止まらずにはいられなかったのだ。
棚に並べられた本も、
大きなテーブルも、
突っ伏した男の子の細身の体も、
目の前に広がるすべてのものがキラキラと輝いているようだった。
「起きてください。もう閉館しますよ」
ふと、幻想的な世界に入ってきた女性の声に我にかえると、エプロン姿の図書館員が寝ている男の子に声を掛けていた。
男の子は気だるそうに体を起こして頭を掻いていたが、すぐに物凄い勢いで辺りを見渡した。
自分の状況に気付いたのだろう男の子は、慌てて椅子から立ち上がると、申し訳なさそうに図書館員に頭を下げた。
あたしはそれを目の前に
「ぶっ、あははははっ」
思わず吹き出してしまったんだ。
だって今までの幻想的な空間とはギャップがありすぎて、それが何だか可笑しくって。
でもあたしは肝心なことを忘れていた。