横を見ると百合ちゃんが

ものすごく怖い顔して立ってる。

なんか・・怒ってる?


「百合ちゃ」

いい終わらないうちにあたしの腕を引っ張って

「ごめんね、大島君、お邪魔しました~!」


あたしを教室の外へ連れて行く。


「あ、ちょっと百合ちゃん!あたし今」

せっかく大島くんの事ちょっとだけ
分かったのにぃー!!

百合ちゃんの腕から解放されると

「心、あんたバカでしょ?」

ため息をつきながら百合ちゃんが

そう言った。


「バカじゃないもん!知りたいだけだもん!」

「だからって..あんな至近距離で見つめてどーすんのよ!」

「え?だって近くにいないと分かんないかなーって」

「だからあんたはバカなのよ!いい?大島くんを知りたい
んだったら直球で行くべきでしょう?」

「直球って..百合ちゃん野球部にでも入るの?」

「バカ!」

声と同時に

「いた!!」