シャーペンを持っていた手を止めて

顔を上げてあたしにまっすぐ向ける。

うわ、今あたし大島くんに直接見られてる??


綺麗な真っ黒な瞳。


綺麗な肌。


これ、絶対に女の子敵に回しちゃうよ。

そんな事を考えながらさっきよりも

距離が近くなった大島くんを見つめ続けると

「黒崎さん?」

もう一度大島くんの声がはっきりと聞こえてきた。


「はい?何でしょう?」


大島くんがあたしの名前を呼んでくれたのは。


多分今日が初めてだと思う。


「距離が近いんだけど」

「うん、気にしないで」


今のあたし達の距離。

多分数センチくらいだと思う。

唇出したら、ちゅうできちゃうくらい。

でもそんな事はしない。

あたしは大島くんを知りたいだけなんだから。