「バカにするかもしれない。キモいって想うかもしんないけど。
でも俺、本気で本気でアイツの事好きで、男が男を好きになるって変な話だけど
でも」

須賀くん。


「須賀くんは、好きな気持ちがどんなのか知ってるんだね」

「え?」

「あたしは分からないんだ。人を好きになる気持ちってどんなものなのか」

「俺は知りたくなかったよ、出来ればこんな辛い気持ちは」

「やっぱり辛い?」

「あぁ、とっても」


そうなんだ、人を好きになるってとっても辛い事なんだ。


「黒崎は、俺の事、キモいとか思わないわけ?」

「?どうして?」

「だって俺、男なのに、男を好きになって」

「人を好きになるのに性別とかって関係あるの?」

「え?」

あたしの質問に驚いた顔をする須賀くん。

「あたしは好きとかそういうのよくわかんないけど。
でもそういう気持ちを見付けられるって事はすごい事だと思うよ。
だからきっと、男だからとか女だからとかそういうのは関係ないと思う」


おばあちゃんが教えてくれた。

まだあたしが小さかった時だけど。


「人を見かけで判断しちゃいけない」って。

教えてもらったんだ。