いつもよりも優しいパパの声。


それが少しだけあたしを安心させてくれる。


「ママと離れる事になった時、俺は言ったんだ。
待たなくていいと。
それが仕方ないことだと思ったし、
何よりもそれがお互いの為だと思った」


黙ってパパの話す言葉に耳を傾ける。



「そして離れて気付いたんだ、ママが、花が俺にとってどんなに大事な存在か」

「待たなくていいなんて言いながらも本当は怖かったんだ」

「ふふ、パパでも怖い事があるんだ」

「そうだ、人は人を好きになると臆病になる
弱くもなる。でも、それが人を好きになると言う事だ。恋は辛いし、
苦しいものだが・・でもそれ以上に会った時や想いが通じた時に
それ以上の喜びや嬉しさを感じられる。だから恐れる必要はない」



あたしの前に立ったパパはポンポンっと頭を優しく撫でてくれた。