突然のパパの発言に驚く。

どうしてそんな事を聞くの?


「あたしはいないけど。でもね、慧が言ってたの。恋は辛くて
恋しくて触れたくて、会いたくなるんだって」


辛くて悲しい顔が今でも頭に思い浮かぶ。


あんな顔をした慧は初めて。


「そうか。慧くんがな..」

「だからね、恋って辛いのなって苦しいのかなって」

「もしそうなら、心は人を好きにならないのか?」

「違う、でも怖い」

「怖くないさ。そうやって人を好きになるんだからな」

「でも恋って素敵なものじゃないの?楽しくて」

「楽しいばかりが恋じゃない」

「パパも辛かった?」

あたしの質問に小さくこくんと頷くパパ。

「パパもママに会いたくなった?」

「あぁ」

「パパもママに触れたくなった?」

「あぁ」

「パパも」

「心?」