ご飯を食べ終わって、少し二人になりたいと言った慧に
誘われて来たのは小さな頃よく一緒に遊んだ公園。
お昼とはまた違った雰囲気のその場所は
今はしーんっと静かで。
街灯と月の明かりが照らしていてすごくロマンチック。
着くなり、すぐにブランコをこぎながら慧は
話を始めた。
「俺、運命の出会いしたんだよね」
「運命?」
それはよくママとパパが言っていた言葉。
「そ、運命。あの人との出会いもきっと運命だって俺は思ってるわけ」
「うん」
慧の言葉に黙って頷く。
「だからまた会えるのを待ちたいんだ」
「慧はその人の事が好きなの?」
「うん、一度しか会ったことないけどさ」
「そっかぁ。慧はすごいね」