「雅。今夜は、覚悟しとけよ?」


耳元で崎冬馬が囁く。



パッと顔を上げると、ナデシコは、崎冬馬に唇を奪われていた。



「───?!」



すると赤族の連中が、こちらを見て笑っている。

「こっちもお熱いっすね。」
「俺らにも幸せわけてくださいよ。」
「崎先輩羨ましいっすよ!」





ナデシコはまた下を向いて、顔を隠してしまった。



「俺の雅に近づくなよー」



崎冬馬は、恥ずかしげもなく赤族に言った。