「あれ、崎先生。今日は午後からと聞いたんですけどね」

片岡が意味ありげに話しかけてくる。

「うるせーな。俺はお前みたいな軽いやつじゃないのー」

片岡はにやっと笑うと、

「ははぁ、先輩、さては寸どめですか…
経験豊富な方だったはずでしたが?──いてっ」



崎冬馬は持っていた教科書の角で、片岡を叩いた。



「うるせーな。」





片岡と崎冬馬は、吹き出して、笑った。