崎冬馬の携帯が鳴った。
「あ?片岡か。俺、午後から行くから、クラスよろしくな。
あぁ、いいと思うよ。おう。頼むぜ」
崎冬馬は携帯を閉じると、ソファに座った。
「雅。クッションなんて抱いてねーで、俺のこと抱けよ?」
ニヤリと笑って、崎冬馬はナデシコに近づく。
ナデシコは一気に赤くなってしまった。
「………ごめんな。
怖い思いをさせて。」
クッションごとナデシコを腕の中におさめながら、崎冬馬は呟いた。
震えながら、ナデシコは首を横に振った。
「俺が唯一好きな女は雅だ。守りたい女も雅だ。
だから、俺の過去を話す。
赤族のチョーをやっていた時代は、俺は最悪な野郎だった。」
「わかってるよ。
もう知ってる。
………でも大好きなの。先生……好きです。」
ナデシコは顔を上げて言った。
崎冬馬は笑うと、
「俺も、ナデシコが好き……」
そういって、2人はどちらからともなくキスをした。