────廊下まで2人の声は響いていたらしい。 崎冬馬が怒鳴っていたからか、少しみんなびっくりしていたようだ。 普段、口は悪いが、表情さえめったに変えない崎冬馬が怒鳴るほどだ。 しかも皆少し誤解していたようだ。 「谷沢さん、そんな怒られるようなことしたの??」 「谷沢先輩、大丈夫でしたか?」 「谷沢ー、何したんだ?」 「あ、あはは……」 ある意味、誤解してくれて良かった…と、ツバキは息をはいた。