ニュースの音が聞こえる。
崎冬馬はゆっくりと目を開けた。
ふと自分の着ているTシャツに違和感を感じ、振り返ると、まるでしがみつくようにTシャツを握る「彼女」が寝ていた。
……ほんの少し頬が赤い。
「おい、起きろ。
お前、いいのかよ。親帰ってくるんじゃねーの?」
「ん……。お母さん、30日までいないんだよ……おやすみ……?!」
ガバッと起き上がったナデシコは、さっと横を見た。
崎冬馬と目が合うと、真っ赤になった。
───ハァ───
崎冬馬はため息をついた。
「なあ、夜のことって言っても、キスしかしてねーじゃん。
俺、我慢してんだから、そんなに過剰に反応すんなよ。」
「キ………キっキスって言っても、あんな…何度もされたら誰だってこうなるわよ!!」
崎冬馬はニヤッと笑うと、ベッドにナデシコを押し倒した。
「………ちょっ!」
「もう一回くらいしとく?」
「やだよ!」