崎冬馬はため息をついた。
呆れたような、そんなため息。
「あの店長、確実にお前のこと好きじゃねーか。わかってんのかよ?」
「え、嘘!知らなかった…」
「にぶいよ、お前」
そう言われれば、思い当たるフシはいくつもあった。
ナデシコを食事に誘ったり、
休憩時間に飲み物をおごってくれたり、
帰りは危ないからと送ってくれたり……
「えっと……、ごめんなさい。」
「わかればよろしい。
……じゃ、朝の続き……」
「えーっ!!ちょっと待ってよ…」
「ふーん。嫌なの?
じゃあ、明日学校で堂々とする?」
「ダメ!!!」
「じゃあいいだろ?目ぇ、つぶれよ………」
ナデシコは目をつぶった。
本当は嫌でもなんでもなかったのだ。
───チュ───