「はいよ。毎回難しい事いいやがる。」 「ま、仕事なんで。」 ナデシコは、昨日の事があったからか、崎冬馬と目を合わせない。 「ふーん。 俺も仕事でここにいんのよ。」 「そうですか。 それでは、あたしは教室のほうへ上がらせていただきます。」 言葉がうわずる。 しかし、長くいることも出来なさそうだったので、ナデシコは崎冬馬に背を向けた。 ………崎冬馬はいきなり、 ナデシコの後ろから手を伸ばして、ナデシコの髪に触れた。