ふと顔を上げると、 バイクのエンジン音がした。 ………つまり、今日の当直は崎冬馬だ。 ナデシコは本を鞄にしまうと、鍵箱と鞄を持ち、立ち上がった。 そして、崎冬馬が職員玄関の扉を開けると同時に、いつものように挨拶をした。 「おはようございます。 今日の当直の先生ですね? 鍵箱の管理をお願いします。下校時間の10分後に取りに行きます。 それでは、失礼します。」