嫌がらせから解放されてから、ナデシコには楽しみが増えた。





「いってきまーす!」

「いってらっしゃい!」



母、朝子に大きく挨拶をして、ナデシコは玄関の扉を開ける。



「おはよう!」



そこに立っているのは、





ツバキとスイレンだった。

2人とも、ナデシコの心配をして、ナデシコの鍵当番の時間に合わせ、寮を出てきてくれるようになったのだ。

ツバキとスイレンは、少し学校から遠い寮に住んでいるため、比較的、ナデシコのうちによるのは楽だったらしい。