冬馬は呟いて、夜馬を離そうとした。でも、夜馬は離さなかった。
「んなこた、わかってるよ、冬馬。」
「誤魔化し方があからさまだもの。誰だって気付くわよ。
あの3人は、仲良しなんでしょ?あんたとナデシコちゃんが付き合ってる事なんて気にしないで、あんたとナデシコちゃんを隣にする事なんて考えないで、2人の真ん中に入れてたじゃない。
あんたに話すより、2人に話した方が楽なのよ。」
「………!」
冬野は息をはきながら微笑むと、崎冬馬の頭をポンと叩いた。
「やっぱり、成人しても、子供は子供ねぇ。」
冬野は、一歩進むと、
「さ、夜馬、冬馬。次はどこへ行こうか?久しぶりの家族水入らずよぉ!」
と、明るく言った。