「そーね。あたし、レディースの総長やってたのよ」

さらりと言ってのけた冬野に対し、3人は愕然としていた。



「あ、でも悪い族じゃないよ?
ただ、夜中に家抜け出して、親に黙って買ったバイク乗り回して、海岸で血まみれになるまでケンカしてただけ。」


付け足すように冬野が話し続ける。


「それ、十分悪い族だよ」


「俺がいなかったら更正しなかったよね?」

夜馬が呟く。

「そうだね。そのあと付き合い続いてるなんて、考えられなかったけど…」



夜馬と冬野は互いに微笑みあった。
20年以上一緒にいるのに、まだまだ青春を感じさせる2人に、

ナデシコは憧れた。