───日曜日───
「ただいま、冬馬!
どーだ、独り暮らしも大変だろ?」
すらりとした体に、おしゃれな髪型をして、崎冬馬の母親は空港から出てきた。
「おかえり。父さんは?」
ナデシコ達を車のわきに待たせて、崎冬馬は2人を出迎えた。
「冬馬!!元気か?!────げほっ──」
「風邪?」
崎冬馬が頭を傾けると、冬野が言った。
「ううん。飛行機酔い。」
ナデシコ達は、びっくりしすぎて、なにも言えなかった。
あまりにイメージとは違っていたのだ。
もっと、厳格な親というイメージがあったのだが。
「あらぁ?あの子達、私達のこと見てるわよ?」
「あぁ、うちの生徒。」
「へぇー、みんな可愛いねぇ。
……で、冬馬の彼女はどの子?」
「なんで知ってるんだよ…
髪の毛長いやつ。」
冬野は、3人に手招きした。
「えっと、はじめまして!雅ナデシコです。」
「谷沢ツバキです。」
「反堂スイレンです。」
3人は、お辞儀をして挨拶した。
「私は崎冬野。冬馬の母だよ!」
「ちなみに、俺は、十神夜馬。父です。」