「では、兵法を教えてやろう」

「・・・・暇を、もてあましているのですか?」

ティーポットに手を添えたまま、ユーリは首をかしげている。

こちらを見つめる紫の瞳から目を逸らし、イリアは内ポケットに手を入れた。

「暇ではない」

そうだ、暇ではない。

やるべきことは多く、与えられた時間はあまりに短い。