王子が食事を終えて席を立った後、ユーリにそっと耳打ちしてくれたのは、クリムゾンだった。

毒見役の小姓に、毒を盛られたことがある。

庭師として仕えていた男に、いきなり剣を向けられたことがある。

暗闇から矢が飛んできたり、ベッドの中から毒蛇が出てきたり……。

「俺は全て知っているわけじゃないから、他にも色々あるんじゃないか?」