「……イリア……」

無意識に口にしてしまって、はっとした。

誰もいないことをあらためて確認し、ユーリは赤くなって俯いた。

自分がいなくなったことに、気づいているだろうか。

逃げたと思っただろうか。

逃げたと思って、腹を立てているだろうか。

それとも……。