「ただいまー」



「おかえり、祐樹…って、あら!」



姉さんは相当驚いた顔。そりゃそうだ。俺はまだ1度も利奈以外の女の子を家に連れてったことなんかない。



問いただそうとした姉さんは、でもすぐに俺の後ろに隠れてる女の子の異変に気付いたようだ。おせっかいな姉の顔から、一気に看護師の顔に変わる。



「こんばんわ。なんかちょっとケガしてるみたいね。さ、あがってあがって」



「あ、ありがとうございます…」



姉さんが仕事道具を広げて女の子の手当てをしている間に、俺は3人分のココアを入れた。大変な目にあったあとはココア、っていうのが、なんてゆーか、我が家のしきたり。



手当てが済んで、3人でココアを飲みながら色々話した。



最初は震えてた女の子が、話せるようになってホント良かったと思った。



ま、さっきの出来事には触れなかったけどね。姉さんも、聞かなくても分かってたし。