そしてこの何げない風景。



家の中に賑わう
人の影。



笑い声。



どなり声。



そう。



その何げない風景こそが
幸せというものの正体であるということを


気が付いている人は意外と少ないんじゃないだろうか。





幸せとは非日常ではなく日常である。




これに俺が気がついたのは
残念なことに


さんざん非日常を味わった後だった。





風呂場を出たおれの前には




出来立ての夕食が
テーブルの上に並べられていた。