実は、このライブにも悠貴は姫成を呼ばなかったのだ。

姫成が、悠貴の部屋でチケットを見つけ今回のライブを知ったのだ。


ライブが始まり、姫成は目線の先に目障りな女を見つけた。

その女は悠貴を見つめ、幸せそうに微笑んでいた。


そのときなんとなく感じていた。

分かっていたんだ...。




ライブが終わり、悠貴が姫成のところへやってきて言った。


「駅まで送ってく。」

『...ぅん』
何か言いたい言葉を飲み込んでそう言った姫成。