3月中旬と言ったら、まだ寒い方。


冷たい風が肌に刺さる。
ぶるぶると身震いする。


ーーフワっ…

「え…?」

「それ着てろ」


これ…陸の……?

見覚えのないジャケットが、あたしの体を包み込む。


「いいの?」

「別に…」


ーーぎゅうっ…。

また、胸の奥が締め付けられる。



苦しい…。
洸太くんに恋したときと違う…。

これが、本当の「好き」なのかな…。